Athletes Dream Management, Inc.

「アスリートの人生」への想い　～ 焼肉を食べながら進路相談（1987年～）
1987年、新卒入社したリクルートの配属先は、人事部新卒採用担当。「月～土曜は深夜残業、日曜はミーティング」という時代。1988年、社内の同好会だったリクルートシーガルズが、実業団でアメフト日本一を目指すことに。新卒採用担当の自分は、選手としてのプレイに加え、学生選手のリクルーティング担当として日本一のチーム作りに参加。２部リーグ出身の無名選手だった自分が、学生スター選手に会いに行く、それだけで緊張の日々でした。
「仕事もアメフトも日本一」を語り、焼肉を食べながら選手の進路相談、監督や選手のご両親、彼女に挨拶、面接のアドバイス。「シーガルズ日本一」に共感した選手達が、「就職」という決断で仲間に加わる。その決断に向き合い続けて、「アスリートの人生」への想いが深まりました。
 

プロアスリートに対する尊敬　～ 日本一になって感じた距離感（1988～1997年）
言葉ほど簡単ではない「仕事もアメフトも日本一」。人事部から営業へ異動した自分には、成績下位の営業マンとして営業所の足を引っ張る時期もありました。有力選手の大量退部で、シーガルズが崩壊しかけたことも。残ったメンバーで一致団結し、1996年末に社会人日本一を達成。
迎えた1997年1月。社会人日本一と学生日本一が戦うライスボウルには、沢山の観客が東京ドームに。TV放映されたこの試合に勝利して日本一となったシーガルズには、プレイで給料を得る選手はゼロ。実業団アメリカンフットボールより高いレベルで選手が競い、スタジアム観戦やTV放映で多くのファンが熱狂し、選手やトレーナー、コーチ、球団スタッフに給料を支払い、世界レベルで戦う選手を輩出する日本プロスポーツ界。それは、実業団日本一からは想像できない価値を、社会に提供しているんだろうなぁ…。日本一になって感じた距離感が、「プロアスリート」に対する尊敬の原点に。

アメリカスポーツへの憧憬　～ 英語が喋れないアジア人がひとり（1998～2003年）
「プロアスリート」への尊敬は、自分の中で「アメリカのスポーツビジネス」への憧憬につながりました。「ライスボウルにお客様が集まり、試合がTV放映されても、選手は無給。では、アメリカ社会では、プロリーグを通じてスポーツの価値がどのように循環しているのか？」を研究するため、選手引退後の1998年秋、マサチューセッツ州立大学スポーツマネジメント大学院に私費留学。ボストンから車で約２時間の山奥で、「日本と香港と韓国は地面が繋がっていて、同じ言語を喋っていると思ってた」というアメリカ人同級生の中に「英語が喋れないひとりのアジア人」として３３歳でアメリカ生活スタート。
Sports Law の試験でクラス最低点を取って鬱になりかけるも、修士課程から博士課程に進み、アメリカプロスポーツリーグ経営の研究を続けました。
最初に取り組んだのは、「MLBとNFLのTV放映権。」（PDF）プロスポーツTV放映権の高騰は、日米の差が大きすぎて興味深いテーマでした。次に「MLB労使協定の歴史」。（PDF）リーグのビジネス収入がチームを経て選手に分配される過程を、歴史的に考察。最後に「プロアスリートが社会で果たす役割」（PDF）で、スポーツ界の社会貢献活動を研究。これで「ファン（TV視聴者）→リーグ→選手→社会（ファン）」という、アメリカプロスポーツでの価値の循環に納得がいきました。アメリカの山奥に篭って、5年が過ぎていました。

アスリートをサポートする立場から　～ ギューッと締め付けられた心臓（2001～2004年）

大学院在学中の2001年、Athletes Dream Management, Inc. を知人との共同経営で設立。自宅地下室での起業で、机も椅子もFAXも全て中古品。日本人選手のマイナーリーグ挑戦や日本スポーツリーグへのコンサルティングを請け負い、スタート直後はもちろん無給。
そんな中、コンサルティングでのご縁から、日本のプロ球団から球団社長のオファーを頂きました。私費留学でアメリカの山奥に篭り、貯金残高が減る日々に怯える自分には夢のような話。東京で球団オーナーから決断を促され「30代で球団社長」の地位に心が動かなかった、と言えば嘘になります。オファーをお断りした自分に対して、「このオファーは、 Once in a lifetime opportunity だけど、本当にいいんですね？」と伝えられた時、ギューーッと締め付けられた心臓の緊張感。その時に認識できたのは、「感情を持ち、家族もいる生身のアスリートをサポートして、スポーツの価値を循環させたい」という自分の気持ちでした。

選手のご家族のお役に立つ何でも屋さん　～ パトカーに止められる（2004～2005年）

2004年、MLBPA公認代理人資格を取得。博士課程はコースワーク終了で中退、オフィスをNew York に移転し、日本プロ野球選手のMLB移籍のアレンジを開始。中古オフィス家具をトラックに積んで New York へ移動中、トラック通行禁止の高速道路でパトカーに止められた本社移転でした。
スポーツ代理人のアーン・テレムさんと選手の移籍交渉、New York のホテルで記者会見、ご家族の引越し手配、スプリングキャンプ帯同…という、代理人の現場仕事を重ねました。2004～05年の NY Mets 約7割以上のホームゲームをスタジアムで観戦。スタジアム往復の車中で Mets ラジオを聴き、NY 全誌のMets 記事を読み、クライアントから試合の話を聴き、MLBへの理解を深めました。
自分が経験したアメリカ生活立ち上げ（ビザとSSN取得、銀行口座とクレジットカード開設、運転免許取得と車購入、住居の契約からライフラインの設定、携帯電話購入、確定申告、家族の学校入学、それに伴う予防注射など…）の苦労を、クライアントとそのご家族が感じなくて済むよう、現場交渉とアレンジの日々。深夜営業の日本食レストラン、日米の会計士さん、プライベートバンカー、移民法弁護士さん、日本人のお医者さん、日本人学校の先生、ベビーシッターさん、住宅管理会社さん、旅行代理店さん、航空会社VIP担当、自動車メンテナンス会社さん…達と連動する「選手ご家族のお役に立つ何でも屋さん」。遠征中の選手代役でお子さんの父兄参観日に参加したことや、選手のご家庭に産まれてすぐのお子さんをお風呂に入れたことも。

野球選手の契約交渉代理人として　～ 一生の宝物（2006～2010年）

2006年、ビジネス人生最大のどん底を経験。知人との共同経営の典型的な失敗例とされる、社内の分裂。育ててきたビジネスの芽も、分散した優秀な仲間と一緒に失って、起業家精神が鎮火した日々。幸いなことに精神が壊れることはなく、「お客様に迷惑をかけられない」の義務感、信頼してくださった日本人MLB選手の存在、眠れぬ夜の藤沢周平、山本周五郎、池波正太郎で自分を支えていました。
2007年、MLBレギュラーシーズン終盤。コロラド・ロッキーズでプレイするクライアントの単身赴任先引っ越し準備でコロラドへ。想定外の連勝を重ねたロッキーズが、1-dayプレイオフ、ワイルドカードを経てワールドシリーズへ。「引っ越し準備」の出張が、アリゾナ、フィラデルフィア、ボストンを経由する「ワールドシリーズ勝ち上がりの旅」に。
チームカラーのパープルと Rocktober （Rockies で Rock な10月！）の言葉に染まり、勇気とプライドで活気付くコロラドの熱狂に、スポーツの価値を再認識。4連敗で幕を閉じたワールドシリーズ最終戦。選手のご家族とともにスタジアム駐車場で待機する自分の元に、クライアントが戻ってきました。そこで「長いシーズン有難うございました」の言葉と一緒に差し出された右手。一生の宝物となる「握手」でした。
代理人の仕事にも変化が。代理人業を共にするテレムさんに社内分裂を伝えると、「キミの仕事ぶりをずっと信頼している」の言葉とともに、メジャー球団GM達との交渉現場に同席する機会をこれまで以上に提供してくださることに。「アメリカTOP代理人とMLB球団GMの交渉」に同席して意見を述べ、球団と選手双方にベストな契約を結ぶ現場体験を重ね、「野球選手の契約交渉」の実績と自信を積みました。2006年に1名だった ADMの日本人MLBクライアントは、2010年には4名に増えていました。

日本球団との交渉　～ フィールド上のパフォーマンスだけでなく（2011年～）
日本人MLB選手にも、日本に戻る時が訪れます。こういう場合、アメリカでの可能性を追いつつ、日本からのオファーにも丁寧に対応することが大切です。その結果、クライアントとご家族、日本球団から「日本球界復帰の交渉窓口」を期待される機会が増えることに。
アメリカでプレイを続けるか？アメリカ生活拠点をたたんで日本に戻るか？の選択は、ご家族にも重要な転換期。クライアントとご家族から寄せられる期待と信頼。ADMの真価を問われる仕事。
日本人ビジネスマンの場合、アメリカでビジネス経験と実績を積んだ人材は、求人市場で高い評価を得ることも可能。同じことは野球選手にも当てはまるはずです。自ら海を渡り、過去の名声が通用しない世界で闘い、多様な人種の中で苦労と葛藤を乗り越えてきた日本人選手は、フィールド上のパフォーマンスや知名度だけでなく、アメリカで身につけた新しい技術と野球観、調整法やリーダーシップを備えています。ここに期待してくださる日本球団との契約で、選手と球団、双方にベストな関係がスタートするはずです。

代理人交渉以外の仕事について　～ 繋がりを活かしていただき
約20年間の留学→起業生活をアメリカで過ごし、「この国では人との繋がりが大切」を痛感します。多様な人種と価値観の中、「どこの誰を知っているか？」が日本より重視される。ビジネスを通じた信頼関係ができれば、大和魂と浪花節で付き合っていける。そんな事を感じています。
クライアントのMLB移籍を通じて、ADMはアメリカスポーツビジネス界各所に足を運んできました。積極的にPRすることではありませんが、アメリカスポーツ界への寄付活動も地道に続けています。結果として、メジャー球団、プロリーグ、選手会、選手マネジメントだけでなく、アスレチックトレーニングやフィジカルセラピー、スポーツ用品、スポーツベニュー、スポンサーシップ、スポーツメディア、スポーツツーリズム、大学の体育局
などに「人との繋がり」ができました。この繋がりを、志を持つ日本の人たちに活かしていただき、日本スポーツ界の健全発展に貢献できれば幸いです。
具体的には、

アメリカで挑戦する日本人アスリートのサポート

• バスケットボール選手のNBDLトライアウト

• アメリカンフットボール選手のNFL, AFLトライアウト

• 野球選手の独立リーグトライアウト

• プロサッカー選手のMLSトライアウト

• クラウドファンディングでのトライアウト資金集め

など　　　

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日本人アスリートのアメリカでのトレーニングアレンジとサポート

• ​プロ野球選手の自主トレ＆リハビリアレンジ

• アメリカンフットボール選手の自主トレ＆リハビリアレンジ

• プロサッカー選手の自主トレ＆リハビリトレアレンジ

• 大学アメリカンフットボールチームのアメリカキャンプアレンジ

• テニス選手のサマーキャンプアレンジ

• 中学生バスケットボール選手のサマーキャンプアレンジ　　　

• ユースフラッグフットボールチームのサマーキャンプアレンジ​

など

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視察、調査、学習、研修ツアーの企画

• スポーツ経営学系、健康科学系大学のアメリカスポーツビジネス＆トレーナー研修

• スポーツ経営学系ゼミのアメリカゼミ合宿

• アスレチックトレーナー系大学＆専門学校のアメリカトレーナー研修&インターン

• スポーツリーグ＆球団のアメリカ視察

• 地方自治体のアメリカスポーツスタジアム調査＆視察

• マイナーリーグ＆MLBキャンプ地でのインターン

など　

スポーツビジネス関連リサーチ　

 

日本スポーツビジネス関連企業のアメリカ進出及び業務提携交渉支援

 

などの実績があります。